English / TopMenu

審査結果発表

 電子メールによる募集という、初めての試みで行われた「Internet Photo Competition 1996」は、その特殊な受付方法にもかかわらず、216作品の応募がありました。日本のみならず、アメリカ、メキシコ、イギリス、シンガポール等、海外からも51作品の応募があり、国際色豊かなコンペティションとなりました。
 応募された作品は、IPC1996実行委員会による第一次審査によリ30作品に絞られ、第二次審査は写真家の藤井秀樹氏、鶴田義久氏、樋口健二氏により行われました。
 入賞作品および全ノミネート作品は、ピクトログラフィー3000でプリントされ、富士フォトサロン東京<スペース3>にて、6月6日まで展示され、好評を博しました。

作者名作品名
グランプリWAXIMAFrom the past
準グランプリ谷本周也Traffic in Himalaya
IPMJ読者賞UKIKOsilent rush hours
FUJIFILM賞MatarrosasVolando bajo (flyng down)
三浦印刷賞UKIKOsilent rush hours
インターネット
マガジン賞
野田 亮見果てぬ夢、景観へ
ネットランチ賞田村知章ドムトールンからのハウステンボス・パノラマ
ActPlanNet賞福西 博大震災による交通遮断
IPMJ年度賞M.MIYAZAKI=JAH-RAH=(IPMJ No.2掲載)

審査員の先生方よりコメントをいただきました

藤井秀樹氏

 デジタルで画像が変わって欲しいという期待を持って審査を行った。結果的にグランプリ受賞作品は今までとは違ったイメージの作品で、よかったのではないかと思う。それとは別に、やはり写真というものは、もとが良くなければ駄目だ、ということもよくわかった。デジタルがひとり歩きするのではなく、アナログと手を繋いで、キャッチボールしながら作り上げていかなければならない。頼るのではなく、便利な機械のひとつという位置付けがよいのではないかと考えている。

鶴田義久氏

 デジタルで写真を処理するということは、何度でもやり直しが出来てしまう難しさがある。写真は、一瞬の感動を凝縮したタマゴをいつ割るか、というようなものだが、やり直しが出来すぎてしまうと、そのタマゴがうまく割れない、傷が入ってしまう、という危険もある。今回のグランプリ作品は、イメージングの部分がしっかりとしていたと感じた。作品全体では、写真をスキャニングしただけの作品も多く、2つの方向に分かれていく、象徴的な第一回ではなかったかと思う。

樋口健二氏

 写真は、基本的には瞬間のビジョンであるし、ルポルタージュの重要性も無視できない。そういった意味では準グランプリの作品は、とてもいい形でとらえている。グランプリの作品は、技術レベルも高く、大変よい結果になったと思う。ただし、全体をみると、まだまだレベルの差は大きい。それから、やはり写真は写真なんだな、ということも強く感じた。後で作り事で、という訳にはいかない。写真は、アートの中でも独自のものである、ということを再認識させられた。

 審査風景

撮影には、富士フイルム社製小型デジタルカメラ「NewDIJE DS-220」を使用しました。(展示風景、表彰式とも)

各賞受賞者のコメントは各作品に添付してあります。



作品は「東京写真月間'96」のひとつとして、5月31日より6月6日まで、東京銀座の富士フォトサロン東京<スペース3>で展示されるとともに、インプレス発行の雑誌に付録されるCD-ROM、インターネット情報誌「ネットランチ」(三浦印刷)、月刊コマーシャルフォト(玄光社)他で紹介されました。



展示風景

表彰式

 グランプリ受賞のWAXIMAさん

 受賞者のみなさんと関係者で記念撮影


惜しくも受賞されなかったノミネート作品

ノミネートNo.作者名作品名
01GORDON黄昏の帰宅
02Jeff RiflemanSan Francisco Topside
03MatarrosasEn camino (in the way)
05Steven HirschNew York New York
06Tim O'MearaTraffic
08YURIKO静寂の刻(とき)
09キムラアツシGRASS AND GO
10ともゆき天国への階段
11磯川みゆきSky Bridge
13荒井善昭横浜 21:00
14阪井三智江高速道路、または天の川
15重田信夫新幹線でくつろぐ兄弟
16森岡毅行穏やかな夕刻
17TAKA SOYAMATRAFFIC MAKER
18大井宏友放置
20中江智紀午後の車窓を
21中江智紀船上から
23田淵 篤Traffic (Japanese Traditional Version)
24Fujimoto生活の道
25梅津郁朗島の思い出
26梅津郁朗まちぼうけ
28秋元千代翅捕食
30齊藤宏之雨上がり
主催

Internet Photo Magazine Japan

協賛

富士写真フイルム株式会社、三浦印刷株式会社、インターネットマガジン
ネットランチ、ActPlanNet

運営

IPC1996実行委員会


協賛企業より、IPC1996についてのコメント


富士写真フイルム株式会社

写真文化のさらなる発展のため、この新しいメディアを通してのコンテストに大変興味をもち、また期待もしております。
世界の皆様が感じた「交通」の写真を拝見するのを楽しみにしています。
富士写真フイルム株式会社のホームページ

三浦印刷株式会社

21世紀を目前に、マルチメディアという新しい文化の中で、写真を表現する媒体も形を変えようとしています。
ひょっとして、この公募展がその出発点になるのかもしれません。
私達は、印刷会社という立場で、このIPCという新しい試みを支援しようと思います。
三浦印刷株式会社のホームページ

インターネットマガジン(株式会社インプレス)

わたしたちは今、パーソナルコンピュータそしてインターネットという新しい視野を手に入れました。その中でどのような写真表現がなされていくのか、その可能性を見守っていきたいと思います。
株式会社インプレスのホームページ

ネットランチ・・インターネット情報誌

世界中の人々が、情報の発信者になれる。インターネットはそういうメディアだと、私たちは考えています。 全ての読者が作者に、そして審査員になれるこのIPMJのイベントに、私たちは21世紀のコミュニケーションの姿を見るようです。

ActPlanNet

写真は今、転換期を迎えようとしているのかも知れません。
それに立ち会えるいうことは、とても幸運なことだと考えています。
新しい流れに乗った、新しい写真の展開、より多くのチャレンジに期待しています。


 本公募展は、IPMJ創刊一周年記念イベントでもあり、毎年テーマをかえて続けていく予定です。



 ポスターのイラストは、ベルギー在住の日本人イラストレーター、トビイルツ嬢によせていただきました。
 E-Mail:ruthie@glo.be


本イベントに関するご意見・ご質問等は、akirak@apn.co.jpまでお問い合わせ下さい。