審査員の先生方よりコメントをいただきました
藤井秀樹氏
デジタルで画像が変わって欲しいという期待を持って審査を行った。結果的にグランプリ受賞作品は今までとは違ったイメージの作品で、よかったのではないかと思う。それとは別に、やはり写真というものは、もとが良くなければ駄目だ、ということもよくわかった。デジタルがひとり歩きするのではなく、アナログと手を繋いで、キャッチボールしながら作り上げていかなければならない。頼るのではなく、便利な機械のひとつという位置付けがよいのではないかと考えている。
鶴田義久氏
デジタルで写真を処理するということは、何度でもやり直しが出来てしまう難しさがある。写真は、一瞬の感動を凝縮したタマゴをいつ割るか、というようなものだが、やり直しが出来すぎてしまうと、そのタマゴがうまく割れない、傷が入ってしまう、という危険もある。今回のグランプリ作品は、イメージングの部分がしっかりとしていたと感じた。作品全体では、写真をスキャニングしただけの作品も多く、2つの方向に分かれていく、象徴的な第一回ではなかったかと思う。
樋口健二氏
写真は、基本的には瞬間のビジョンであるし、ルポルタージュの重要性も無視できない。そういった意味では準グランプリの作品は、とてもいい形でとらえている。グランプリの作品は、技術レベルも高く、大変よい結果になったと思う。ただし、全体をみると、まだまだレベルの差は大きい。それから、やはり写真は写真なんだな、ということも強く感じた。後で作り事で、という訳にはいかない。写真は、アートの中でも独自のものである、ということを再認識させられた。
審査風景
撮影には、富士フイルム社製小型デジタルカメラ「NewDIJE DS-220」を使用しました。(展示風景、表彰式とも)
各賞受賞者のコメントは各作品に添付してあります。
作品は「東京写真月間'96」のひとつとして、5月31日より6月6日まで、東京銀座の富士フォトサロン東京<スペース3>で展示されるとともに、インプレス発行の雑誌に付録されるCD-ROM、インターネット情報誌「ネットランチ」(三浦印刷)、月刊コマーシャルフォト(玄光社)他で紹介されました。
展示風景
表彰式
グランプリ受賞のWAXIMAさん
受賞者のみなさんと関係者で記念撮影
惜しくも受賞されなかったノミネート作品
- 主催
Internet Photo Magazine Japan
- 協賛
富士写真フイルム株式会社、三浦印刷株式会社、インターネットマガジン
ネットランチ、ActPlanNet
- 運営
IPC1996実行委員会
協賛企業より、IPC1996についてのコメント
- 富士写真フイルム株式会社
写真文化のさらなる発展のため、この新しいメディアを通してのコンテストに大変興味をもち、また期待もしております。
世界の皆様が感じた「交通」の写真を拝見するのを楽しみにしています。
富士写真フイルム株式会社のホームページ
- 三浦印刷株式会社
21世紀を目前に、マルチメディアという新しい文化の中で、写真を表現する媒体も形を変えようとしています。
ひょっとして、この公募展がその出発点になるのかもしれません。
私達は、印刷会社という立場で、このIPCという新しい試みを支援しようと思います。
三浦印刷株式会社のホームページ
- インターネットマガジン(株式会社インプレス)
わたしたちは今、パーソナルコンピュータそしてインターネットという新しい視野を手に入れました。その中でどのような写真表現がなされていくのか、その可能性を見守っていきたいと思います。
株式会社インプレスのホームページ
- ネットランチ・・インターネット情報誌
世界中の人々が、情報の発信者になれる。インターネットはそういうメディアだと、私たちは考えています。
全ての読者が作者に、そして審査員になれるこのIPMJのイベントに、私たちは21世紀のコミュニケーションの姿を見るようです。
- ActPlanNet
写真は今、転換期を迎えようとしているのかも知れません。
それに立ち会えるいうことは、とても幸運なことだと考えています。
新しい流れに乗った、新しい写真の展開、より多くのチャレンジに期待しています。
本公募展は、IPMJ創刊一周年記念イベントでもあり、毎年テーマをかえて続けていく予定です。
ポスターのイラストは、ベルギー在住の日本人イラストレーター、トビイルツ嬢によせていただきました。
E-Mail:ruthie@glo.be
本イベントに関するご意見・ご質問等は、akirak@apn.co.jpまでお問い合わせ下さい。