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アンケートを読む

写真評論化平木収インタビュー

あきらけい(以下 あ):今回「なぜ若者は写真を撮るのか」というアンケートを実施しまして、その結果をご覧いただきながら、コメントをいただければと思います。
平木 収(以下 平):増えているんですよね、写真を撮る若者が。
:写真の専門学校も、クラスを増やしていますよね。
:その割には、卒業して羽ばたいてくれる生徒が少ないですね。冒険しなくなったというか、夢を育ませない中高年にも責任があるんですが。(笑)
:若者を奮い立たせる中高年?
:写真学校という日常に埋没してほしくないですね。写真家の名前をあげている数を見ても思うのですが、学校の中以外では写真をやっていません、という感じもうけます。もっと能動的に、自分からどんどん動いて吸収してほしいですね。最近では、写真以外の分野から写真家が誕生していますから、もっともっと頑張ってほしい。人並みであるとか、人並み以上というレベルで満足しないで、絶対的なレベルを目指さなくては。
:夢という覧に高い理想を掲げる人がいませんでしたし。「なぜ若者は写真を撮るのか」ということについてはいかがでしょう。
:わからないなぁ。(笑)とりとめのない社会を、写真という、ひとつの支点、梃子のようなもので動かしたい、という気持ちがあるのでしょうか。満ち足りた社会に対するフラストレーションのはけ口のような作用をしているのかも知れませんね。でも、爆発力はない。ただ、これからの写真家がどのように社会に作用してくるのか、僕にも予測できません。
:でも、数は増えている。
:わからないなぁ。大学の講義にも、非常に熱心な生徒が多いんです。それは写真史の講義ですが、見るということにおいにも、注目されているようですね。それが撮る人口の増加につながっているのかな。でも、カッコイイ写真家っていないね。(笑)
:アンケートにも、写真家はキタナイ、なんて書かれてますからね。(笑)今日はどうもありがとうございました。