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●タングステン光
 フィラメントがタングステンでできてる電球、つまり白熱電球の光のこと。身近なのは家庭用の電灯だけど、最近は蛍光灯になってしまったので、めったに見なくなってしまったね。で、タングステン光は目には白っぽく感じるけど、じっさいには赤っぽい色をしている。その度合いを表すのに「色温度」という単位を使うけど、家庭用電灯では色温度がだいたい2800Kぐらい(太陽光は5500K前後)。だから、カラーフィルムで撮影すると赤っぽい描写になってしまう。これを自然な色で撮影できるカラーフィルムが「タングステンタイプ」のリバーサルフィルムだ。ただし、タングステンタイプのカラーフィルムは色温度が3200K(または3400K)の場合に正しい発色になるんだ。このため、家庭用電灯では少しだけど赤っぽくなってしまう。ふつうのカラーフィルム(「デーライトタイプ」)ではかなり赤くなるわけだけど、そのほうが雰囲気が出る場合も。だから、タングステン光だからといって、かならずタングステンタイプで写さなきゃっていうことはないんだ。


写真1 店の照明はけっこうタングステン光が多いね。で、わざとデーライトタイプのフィルムで写して、雰囲気描写を狙ってみた。


写真2 これも喫茶店にあった置物をタングステン光で撮影。タングステンタイプでも正確は色再現はできないから、むしろこのように赤っぽいほうがいいね。



●動感描写
 動きを感じさせるように写すこと。具体的には、遅めのシャッター速度で、わざとブレを起こさせ、同時に被写体の動きに合わせてカメラを振りながらシャッターを切るといい。遅めのシャッター速度といっても、被写体のスピードによるから、決まった値はないけど、目安としては走る人間なら1/15〜1/30秒ぐらい。飛ぶ鳥は1/60〜1/125秒ぐらいで、レーシングカーなら1/125〜1/250秒ぐらい。もちろん、もっとブレを強くしたければ、これよりも1段程度遅いシャッター速度にセットしよう。また、被写体をカメラで追いながらシャッターを切るテクニックを「流し撮り」とか「追い写し」って言う。慣れないと、被写体の動く方向とはちがうタテ方向の手ブレが出て、見にくくなってしまう。かなり練習が必要なテクニックだ。


写真3 走ってくる子どもをスローシャッター(1/15秒)で流し撮りして、動感描写をしたもの。


写真4 池から飛び立った鳥を流し撮りで動感描写。シャッター速度は1/60秒にして撮影した。