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●ソフトフォーカス
 日本語に直訳すると「軟焦点」っていうふうになるけど、この用語は昔じっさいに使われていた。ソフトフォーカスはピントが合っているんだけど、明るいものの周りににじみが出て、全体としてフワッとした感じに描写されること。だから、単なるピンぼけとはちがう。ソフトフォーカス効果を得るには、専用のソフトフォーカスレンズのほかに、フィルターを使う方法もあるね。ただ、専用レンズとフィルターのソフトフォーカス効果は微妙にちがう。やはり美しいのは専用レンズのほうだけど、フィルターは価格が安く、どんなレンズにでも取り付けられるのがメリット。専用レンズでもフィルターでも注意しなけりゃいけないのは、レンズの絞りを開け気味に写すことだ。絞り込んでしまうと、ソフトフォーカス効果がなくなってしまう。また、効果を高めるには被写体の背景は黒っぽいバックがいい。もうひとつ、ソフトフォーカス描写は乱用すると面白味がなくなってしまう。これと思うときだけに使うようにしよう。


写真1 ソフトフォーカスはやっぱし女性のポートレートがいちばんだね。黒バックでソフト効果を高めた。


写真2 花もソフトフォーカス写真向きの被写体だ。この場合もバックが暗いのでかなり効果が出た。



●スナップ
 「スナップ」っていう写真用語はけっこう誤用されてる。記念写真やファミリーフォトなんかを一般にスナップって言うらしいけど、これはまちがい。本当のスナップは人の表情やしぐさを瞬間的にキャッチした写真のこと。つまり、基本的には見知らぬ他人を、その周りの状況も含めて捉えた写真のことなんだ。スナップっていう用語は「スナップショット」の略で、ハンティングの用語から来てる。散弾銃を構えて、足元から鳥が飛び立った瞬間、とっさに引き金を引いて撃ち落とす。これがスナップショットで、銃をカメラに置き換えたのが写真用語のスナップなんだ。スナップを上手に写すコツはカメラを構えると同時にシャッターを切るように反射神経を磨いておくことだ。また、瞬間的に面白いものを見つけるカメラアイも必要になる。レンズは28ミリや35ミリの広角レンズや50ミリの標準レンズなどが周りの状況まで入れ込むことができるのでベスト。でも、望遠レンズを使ったスナップもありうる。いずれにしても、スナップは写真撮影の原点のひとつだと言えるだろう。


写真3 ドイツの街角で子どもと母親をスナップ。西洋人は表情が豊かだ。


写真4 これは日本の街角だけど、南米からきたフォルクローレのグループをスナップ。