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1月6日 西表島−鳩間島−西表島−石垣島−名古屋空港

 7時に起きた時は、雨が降っていた。
 衝撃を受けつつも、お馴染みの朝食を作って食べた。
 調理途中で、ついにアルコールバーナーの燃料が尽き、昨日買った消毒用イソプロパノール50%溶液を燃やさなければならない羽目に陥った。本来なら、消毒用のアルコールを使うべきなのだが、西表島の思いつく限りのお店をあたってきたのだが、白浜の店が唯一それに近い(とはいえ遠い)商品を扱っていたのだ。まさか、診療所に売ってくれと行く訳にはいかない。
 とはいえ、毒性はどんなものなのでしょうね?
 火力は弱々しいし、煤を出すけど、ないよりはましだ。果たしてご飯は炊けるのか?
 宿を出るときは、すでに雨はあがっていた。
 少し歩き、バス停から8:11発のバスに乗り、280円で上原の集落へ移動した。
 鳩間島への郵便船については、デンサー食堂に聞くことになっている。
 今日も予定通り10時〜11時の間に出るようだ。(予定通りのくせに時間に幅があるのが面白い)
 スーパーの前に置かれたベンチに座り、メールをチェックし(泊まった民宿ではセルラー以外の携帯電話は使用不可だった)、原稿を書いた。
 今日から学校も始まるようで、仕事始めの会社も多いのか、活気が出てきたように感じる。
 日差しが出てきたので、道路のアスファルトがみるみる乾いていく。

 その後、船の脇まで移動し、ひたすら出航を待った。
 それ以降の展開も画策する。
 本と電話を駆使して調べた所、ここ上原と石垣とは週3日フェリーでもつながっている。その船は、今日の午後出るという。次は、一日おいて土曜日だ。
 鳩間島も、同様に石垣島とフェリーでつながっており運航日は上原とを結ぶフェリーと同じだった。交互だったら、明日石垣島へ戻るのに便利なのに、と思ったのだが、実は、鳩間島への船とは、西表島の上原と石垣島とを結ぶフェリーと同じ船で、上原を経由して鳩間島へ行くのだった。
 鳩間島への郵便船は、11:15になって、ようやく出航した。所要時間は15分くらいで、料金は1,000円だった。
 船を下り、散策を開始する。
 先に書いてしまうと、私の鳩間島滞在はたったの40分で、出会ったのは4名だった。(出港時をのぞく)
 まず、ひとり目。郵便船の乗客は私ひとりで、港に降り立っても誰もいなかった。案内板を見ていると、お爺さんが現れたが、あいさつをすると無言でそのまま去っていった。
 ふたり目。学校への道を歩いていると、前から一輪車を押したおばさんが現れた。あいさつをしたが、こちらを見向きもしなかった。
 三人目。公園近くで話をしている人がいたので会釈すると、「キャンプは禁止」だと叫ばれた。 (おじさんとは30mは離れていた)
 四人目。正確には女の子供を連れていたのだが、彼も、あいさつをすると「野営は駄目だ」と言う。
 確かに国定公園内でのキャンプは禁止されているのだが、頭ごなしにそれはないと思うのだ。「こんにちは」と言ったら、「こんにちは」と返してくれるのが日本人というものだろう。私を新城島から西表島大原港へ強制送還したおじさんでさえ、おじさんの「こんな所で何してるんだ」の怒鳴り声に対し、私が「こんにちは」と言ったら「こんにちは」と返したではないか。
 しかも、鳩間島には私が見ただけでも2ヶ所に、真新しい「オアシス運動」の看板が掲げられていた。
 鳩間島へは、昨年行きたくてそれが叶わず、今回リベンジしたものだ。なぜ行きたかったかは、学校を存続させるために里子を受け入れた島だったからだ。
 その辺りの事情が実際どうだったのかも知りたくて、最初から民宿に泊まるつもりでいた。一軒きりの商店は、夕方数時間開くだけだし。
 結局、私の鳩間島滞在はそれで終わった。
 写真撮影と1リットルの水汲み。
 それだけだ。
 フェリーが港に入るのが見えたので、坂を下り、さっさと乗ってしまった。
 今回の旅は、真の目的地のいずれも滞在時間が一時間に満たないという、なんとも寂しげな展開になってしまった。
 フェリー内で釣り人に、30分しかいなかったね、と、声をかけられた。港で私の上陸を見ていたらしいのだ。印象が悪かったので、と、具体的なことは何も言わなかったが、釣り人は9日間もいたという。釣りにはいいよ、と彼は言った。
 フェリーは、西表島上原港に入港した。料金は500円だった。ほとんど同じ航路だが、郵便船の半額である。このまま乗っていても16時過ぎには石垣島の離島桟橋へ着けるのだが、今日のうちに旅を終わらせることを考えて、上原から船浦へRazorで移動し、高速船を待つことにした。
 ご飯を炊き終えた所で、13:30発の高速船が入港してしまった。怪しげな薬品は火力が弱い上に、妙なにおいもする。なるべく風上にいるようにした。
 荷物をパッキングし、炊きあがったご飯を持って船に乗り込んだ。石垣島までの所用時間は45分で、料金は2,000円である。
 船内で原稿を書いた。

 離島桟橋でラーメンを作るべく右往左往していると、与那国島であったキャンパーと遭遇。彼の旅はまだ続き、これから黒島だという。
 彼を見送り、私はインスタントラーメンとご飯と缶詰で遅い昼食。
 ちょっぴり未練を残してタクシーで空港へ移動。
 15:45発の名古屋行き直行便は満席で、キャンセル待ち番号3番だった。明日の状況はすでに調べてあり、68席空きということで、今日も大丈夫だと思っていたのだが、そうもいかないらしい。愛知県の学校は明日が始業式?
 それでも、名古屋空港行きのANKは私を乗せて離陸。満員の機内はバスツアーのノリで騒々しく、キャビンアテンダントも大忙し。
 機内で原稿を書いた。
 飛行機は、あと30分、18:10に名古屋空港に着陸するらしい。
 ベルト着用のサインと共に、私の旅は終わりを告げた。


宿泊した1,500円民宿


鳩間島への郵便船。積み荷は私と小包が5つ


こちらはフェリー


さらば鳩間島


キャンセル待ちだっため、石垣空港でも急ぐ!!