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10月22日 口永良部島-屋久島-種子島

 起床は6時。
 空は重たい雲が立ちこめている。
 コーヒー、カロリーメイトの朝食をとり、周辺の写真を撮った後、出発。
 昨日自転車を止めた場所まで(集落まで下りられない)荷物を抱えて登る。本当に急な坂だ。年寄りは登れるのだろうか? 寝待温泉には、歩けなかった人が湯治に滞在し、歩いて帰ったという話が伝わっているが、健康な私でも休み休みしか登れない坂なのだから、信じられない話ではある。
 自転車を走らすことが出来たのは7:45になってからで、西之湯温泉を目指して坂を登る。
 途中小雨が降り出し、雨装備。ただし、この雨は西之湯温泉に着く頃にはすっかり止んでいた。晴間は一切ないけど。
 西之湯温泉には8時半頃到着。ここも混浴で無人。ちなみに、島に3ケ所ある温泉は、どこも入浴料200円である。
 波音を聞きながら、ゆったりと湯に浸かり、港へ。
 9時半頃には切符を買って、防波堤で原稿を書いたりして、ぼんやり過ごした。釣人から缶入茶の差し入れもいただいた。
 船は、予定通り入港。
 自転車を積み込み、船室へ。
 昨日忘れて行った充電器は、そのままの状態でそこにあった。よかった、よかった。
 船はバンバン跳ね、揺れた。寝ていたので酔いはしなかったけど。
 定刻で屋久島へ到着。船を下り、待合所の辺りをウロウロしていると、荒川別れを出る時にそこに止めてあった自転車に乗ったサイクラー発見。彼は和歌山から来ていて、この後、種子島へ行くという。
 彼と別れ、鹿児島行きの船を待っていたのだが、やはり私も種子島へ行くことにして、慌てて乗船券を買い(1,400円プラス320円)、再び第2太陽丸へ。船員が、「あれ、また乗るの?」。たった今降ろしてもらったのに済みません。
 最初から種子島までの乗船券を買っていれば(第2太陽丸は、3島間を航行している)、自転車の追加320円はいらなかったと思う。
 船室へ行くと、さっき別れたサイクラーがいた。
 荷物をそこへ残し、ターミナルへ戻る。
 鹿児島への船内で昼食をとるつもりだったので、慌てて食堂でカレーライスを5分でかき込み、船へ戻ると、船はすぐ出港した。
 やはり揺れ揺れで種子島島間港へ。カレーを戻すことは避けられた。
 入港は、作業中の船があるとかで、やや待たされて、下船したら15:15くらいだった。
 天候は曇り。
 件のサイクラーが、同行したいとのことで、しばらく一緒に漕ぐことにする。
 向かうは、種子島宇宙センター。
 そこを1時間くらいかけて見学、その後、県道を北上して平山を通りぬけ、熊野海水浴場近くの温泉保養センターへ。
 ここで18時半まで停滞。いいお湯でした。
 同行していたサイクラーはそこの隣りにキャンプするとのことで、見送られて出発。
 おお、真っ暗闇。風が強くて辛い。
 目指すは、住吉のキャンプ場(西之表港の6kmくらい手前)。炊事場くらいはあるだろうから、その下で眠らせてもらうつもりだった。
 ところが、20時過ぎに住吉へ着き、歩いていた人にキャンプ場の場所を聞いて行ってみたんだけど、場所がよく判らない。漁港をウロウロしていると、漁協の施設前のテーブル脇で寝ていたオッチャンに声をかけられた。で、キャンプ場の場所を聞き、行ってみたんだけど、やっぱり判らない。暗い、というのも場所を判らなくしていた。
 通りかかったバイクのオッチャンに、また聞いてみる。そしたら何と、キャンプ場は毎年8月いっぱいで閉めてしまっているという。
 がーん、となっていると、バイクのオッチャンは、漁協の倉庫で寝ていいとう。
 まさに、渡りに船。
 漁協の施設に戻り、寝ていたオッチャンに倉庫の場所を聞くと、隣りだと言う。
 行ってみると、倉庫とは言え、なかなか立派な建物。
 前で食事の準備を始めると、寝ていたオッチャンが、こっちは電気もついてて明るいので、こっちでやればいい、と、呼びに来てくれた。
 お言葉に甘えて場所移動。
 テーブル、椅子、広い軒下と、最高の環境。
 オッチャンは、2時からキビナゴ漁の船に乗るので、家で寝ていて寝過ごさないように、ここで寝ていたという。
 今夜の食事は、最後の米を炊き、親子丼の素をかけたものと、缶詰、魚肉ソーセージ、缶ビールである。これで手持ちの食料は、翌朝用のパンと、コーヒー豆、非常用のカロリーメイト、クッキーだけとなった。
 食べていると、オッチャンもビールを飲み出し、それが焼酎になり、私もご馳走になった。つまみは、塩茹でしたキビナゴと、キビナゴの刺し身(生をまるごと食うだけだけど)である。
 話をしていて、私も漁船に乗れるよう親方に頼んでくれることになった。
 起こしてくれる、とのことで、その漁協の施設の畳の部屋で23時前に眠りについたのでした。オッチャンは外で寝てたけど。

寝待温泉、ですね