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それでもバスは西へ走る

 世の中、もう捨てたもんです。(嘘)

 東京で買った最新の地図は役に立たず、現地で買った最新の地図も役に立たない。現地で仕入れた地元の情報も役に立たない。
 おお、バスよ、いつからお前はそんな難しい乗り物になってしまったのか。

 バスが市民の足であったのは、遠い昔のことのようだ。
 これでよいのか?
 何年か前に打ち切られた補助金は、バス路線の廃止ラッシュを産み、今日に至っている。最新とうたう地図が把握できないほど、廃止は続いているし、間違った地図情報を平気で売っている所を見ると、苦情を言うひとはいないのだろう。

 バスに我々しか乗っていない、という現象が日常になっていた。
 民間会社であるのだから、廃止は当然かも知れない。
 しかし、しかしだ。
 必要としているひとはいるはずだ。
 今さら言うまでもないが、お年寄りの足であることは間違いない。
 車中で話される会話のほとんどが病気病院の話題だとしても、だ。

 今回、富士−清水間には高速バスを、蒲郡−大曽根間には常滑ボートの無料送迎バスを使った。使わざるを得なかったのだ。それ以外にも5キロくらいは歩いている。
 地図上でのバス路線は繋がっている。
 油断してはならない。
 あなたの身近の路線も、明日にはないかも知れないのだ。地元住民さえ気が付かないうちに、ひっそりとその役目を終えてしまったバス路線群。

 さぁ、行かれよ、乗るなら今だ。