フォトルポ

四畳半に巣くう人々

あきらけい


その1  こゆとこ

 東京都内でも、朽ちかけた古いアパートは多数存在する。驚くほど存在するのだ。その理由は、大家の考え方だったり、消防法によるものだったりするのだが、大半の理由が、この消防法によるものだろう。現在では、消防車が入って行けないような路地には、アパートが建てられないのだ。まぁ、当然といえば当然だが、この法律のお陰で、路地裏には建て替えられることなく朽ちるに任せたボロアパートが多数存在する。
 私も、そんなボロアパートの住人だったりする訳だけど、これが、なかなかに快適なのだ。
 住めば都。
 その辺の所は来月からに譲るとして、まずは、私たちの住む第一小山荘を紹介しよう。
 現在の住人は大半が日本人で、中国人が少し。空き部屋がいくつもある。

外観(右上の写真) 第一小山荘も他のボロアパートと同じく、細い路地を入った先にある。道は未舗装で、雨の日は、中央に並べられた石が頼りだ。隣の白い「メゾンハピネス」には、若いオネーチャンもいっぱい住んでいるのだが、お呼びでない、状態。

裏庭
 以前住んでた韓国人たちは、外で料理することも多かった。中華調味料の臭いがたちこめて困ったが。
 今は、ご覧の通り荒れ放題。

玄関
 ドアはアルミ製に替えられているが、いつも開いているので、あってもなくても同じようなものだ。ちゃんと閉まるのだろうか?
 1階にはピンク電話がある。
 アパートの廊下で、唯一電器が点いているのがここ。後は、電気回り管理担当の私(それによって、水道料込み管理費が免除)によって外されている。アパート全体で40アンペアしかないのだ。ここと、トイレの電器は、屋外につけてある暗くなるとONになるスイッチに連動している。

ヒューズボックス
 見たことない人も多いと思うけど、マイナスドライバーで糸ヒューズを交換するタイプ。私も、ここへ引っ越してきて初めて見た。ヒューズは、商店街の外れにあるD.I.Y.店にはなくて、東急ハンズで買ってきくる。冬は、あちこちよく切れるが、交換出来ない人もいて、私の担当になっている。

トイレ
 もちろん水洗。月に数回大家が来て掃除する。トイレットペーパーのスペアはピンク電話の下。電球が切れたら私に連絡を。換気扇はありません。
 以前、ここで頭を洗ったりするアジア人がいて困った。

2階廊下
 電器が外してあるので夜は暗い。引き戸タイプのドアは(普通のタイプのドアもある)すりガラス入りなので、誰かが部屋にいれば、そこそこ明るい。ただし、私の部屋のドアは中から内張りがしてあるので、いても明るくなりません。

空き部屋
 空いてる部屋があるので、ここを例に設備の解説をします。ちなみに、この部屋は角部屋だけど、左の窓の雨戸はレールが腐ってて、落下したまま。窓を開けると、隣のアパートのベランダの正面で、飛び移れる程近い。
 空き部屋に鍵が掛けられることはなく、私も小物の撮影に使ったりしてます。

台所
 単なる部屋の片隅。換気扇はありません。流しは浅く、石で出来ているのだが、かなり減っていて、きちんと水が流れていかなかったりする。ガスは都市ガスが来ている。

収納
 押入は、なかなかに広い。他にもあって、収納スペースは充実している。
 写真右手は出入口。

たな
 全室標準装備。なかなか使える。写真では横板が外してあるが、台所にもある。



 以上が第一小山荘の全貌だ。隣接して第二小山荘と第三小山荘があるが、第三小山荘の部屋はトイレ標準装備で、家賃も少し高い。
 来月からは、ここの住人たちを紹介していく。
 どぞ、よろしく