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●デーライトタイプ
 カラーフィルム、とくにカラーリバーサル(ポジ)フィルムにはデーライトタイプとタングステンタイプの区別があるんだ。デーライトタイプというのは、昼光(昼間の太陽光)で撮影したとき、正しい発色になるカラーフィルムのこと。昼光というのは、おおざっぱに言って、午前10時ごろから午後2時ぐらいまでの光のことなんだ。午前中早い時間だと、もっと黄色または赤っぽくなってしまうし、午後遅い時間だとやはり黄色または赤っぽくなってしまい、正しい色にならない。これをもうちょっと厳密に言うと、デーライトタイプのカラーフィルムは昼光の色温度5500K前後にマッチするように作られているということなんだ。色温度というのを詳しく説明すると、スペースが足りないけど、光の色を温度で表したものと考えておけば当たらずとも遠からず、っていうところかな。日の出や日没のときの太陽光の色温度は2000〜4000Kとかなり低い。だから、デーライトタイプのカラーフィルムで撮影すると赤く写ってしまうんだ。参考までに書いておくと、白熱電球(タングステン光)の色温度は2800〜3000Kぐらいだから、やっぱり赤く写ってしまう。写真用のタングステン光は3200K、ストロボ(フラッシュ)の光は5000〜5500Kぐらいだ。だから、デーライトタイプのフィルムで写真用電球を使って写すと赤くなり、ストロボで写すと正しい色になるんだね。写真用電球を使って正しい色に写すにはふたつの方法がある。ひとつは色温度変換(LB)フィルターという青っぽいフィルターをレンズに付けて写す方法。もうひとつはタングステンタイプという種類のカラーリバーサルフィルムを使うことだ。タングステンタイプのフィルムは色温度3200Kにぴったり合わせてある。


写真1 デーライトタイプのカラーリバーサルフィルムで写真用電球を使って写したもの。色温度が低いので赤っぽくなってるね。


写真2 デーライトタイプの同じカラーリバーサルフィルムでストロボを使って写したもの。色温度がマッチしているので正しい色に写ってる。



●ミックス光
 前のテーマとも関連するけど、タングステン光やほかの照明がいり混じっていること。たとえば、写真電球と蛍光灯とか、色の付いた照明などが混じっているのがミックス光だ。ミックス光の場合、完全に正しい色の再現はのぞめないから、目で見たのとはちがう色に写ってしまうのはしかたのないところだ。では、フィルムはデーライトタイプにするべきか、またはタングステンタイプを使うべきか、どっちなんだろう。ま、ミックス光の種類によって、いちがいには言えないけど、たいていの場合にはデーライトタイプのほうが、より自然というか、肉眼で見た感じにより近くなる場合が多いようだ。タングステンタイプは白熱電球だけの照明の場合に使うべきで、ミックス光の場合には不自然な発色になってしまう場合が多い。ミックス光のひとつの例として、都会の夜景があるけど、これもふつうはデーライトタイプのカラーフィルムを使って写す。もし、ミックス光で厳密な色再現が要求される場合には、カラーリバーサルフィルムではなく、ネガカラーフィルムを使ったほうがいい。プリントするときに色補正によって肉眼で見た感じに近づけることもできるからだ。


写真3 ショーウインドーを夜間に写したものだが、いろいろな光が混じっているミックス光だった。デーライトタイプのカラーリバーサルフィルムで撮影。


写真4 タングステン光のほかに、色の付いた照明が混じっているミックス光条件。やはりデーライトタイプで撮影。