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●半逆光
 写真の基本のひとつは光を読むことだよね。光は大きく分けて、順光、逆光、半逆光の3つになる。順光は被写体に正面から光が当たっている状態。逆光は文字どおりその逆で、被写体の真後ろから光が当たっている場合。半逆光は順光と逆光の中間、つまり斜め後ろから被写体に光が当たっている状態だね。で、写真的にいちばんいい光は半逆光なんだ。順光だとはっきり写るけど、平板な描写になってしまう。逆光だけだと、被写体は暗くなり、ディテールが見えなくなってしまう。とくに、ポートレートや風景写真などでは半逆光で写してみるのがいちばんいい。
 写真1はスナップポートレートだけど、斜め後ろから光が当たっている半逆光の状態。女の子の金髪がきれいに写っているね。もし、もう少し顔のディテールを出したかったら、正面からストロボやレフ板などで光を当てるけど、これを「補助光」っていう。
 写真2は半逆光で浮かび上がった木の葉。こういう被写体も順光ではまったくつまらない写真になってしまう。また、完全逆光だと、光源(太陽など)が画面に直接入ってしまうので、描写が悪くなってしまう。このように斜め後ろからの光がいちばん効果的だ。


写真1 半逆光でのスナップポートレート。女の子のかわいらしさが強調された。


写真2 半逆光で木の葉を望遠レンズで接写したもの。ボケ(左下)もいい感じに描写されてる。



●トワイライトシンクロ
 トワイライト、つまり薄暮っていうことだけど、日没直前あるいは直後のうす暗い時間にストロボ撮影をすること。うす暗い背景を生かしながら、被写体(おもに人物)をストロボで照らす。ストロボの光が強すぎると不自然な描写になってしまうので注意が必要だ。現在のAF一眼レフではカメラまかせにしていても、効果的なトワイライトシンクロができる。ただ、光が強すぎることもあるので、ストロボ側またはカメラ側で「調光補正」機能を使って、マイナス1段ぐらいの補正をしておく。
 写真3は浅草サンバカーニバルでのスナップショットだけど、夕方の感じを出しながら、ダンサーをストロボで明るく照らしてみた。カメラのプログラムフラッシュ機能にまかせて撮影しているけど、ストロボ光も強すぎず、背景の明るさとバランスがとれた。なお、トワイライトシンクロとは関係ないけど、人物を少し斜めに傾けて写して、動きを感じさせるようにした。
 写真4は海岸の夕暮れ時にトワイライトシンクロしたポートレート。ほんとはもう少し夕空が赤くなって欲しかったんだけど、あいにく曇りがちだった。それでも、夕方の雰囲気は出ている。この場合にはストロボの光が強すぎると予想されたので、調光補正機構を使ってマイナス1段の補正をして撮影した。このため、ストロボらしくない自然な描写になっている。


写真3 カメラのプログラムフラッシュ機能にまかせたトワイライトシンクロ。夕暮れのお祭りの雰囲気がうまく描出された。


写真4 調光補正でマイナス補正をしたトワイライトシンクロ。このため、ストロボ光が弱めで、夕方の感じが出せた。