ナマヤサイ
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ある日私が街のスーパーに買い物に行くと、
陳列棚の上で、ピーマンが踊っていました。
それからです。
おかげさまで、スーパーで野菜を手にとって、
じっと見詰めることが多くなりました。
時々店員さんが訝しげな目でこちらを見ていたりもします。
しかしながら、野菜達が語りかけてくるのだから、
こっちも返してやらなくてはなりません。
野菜とは、食物とは、自分たちの運命を一体どう考えているのか。
人間のために改良され、収穫され、食されていく。
食べられていくために生まれて来るのか。
陳列棚に並んでいるのは、どれもこれも良い色つやをしています。
並ぶ以前に選別されていることを、知らない人はいないでしょう。
選ばれることは、本当に幸せなことなのか。
私は撮影を終え、夕食のサラダを食べながら、
そういった内容のことを、そこはかとなく考えるのでした。
