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7月5日 天売島

 起床は6時すぎ。舎内は快適だけど、外は霧でまっ白。何も見えない
 コンデンスミルクティーと、昨日の残りのパンで朝食。
 7:30頃、観光客2名が、朝食前の散歩(島一周12kmもあるのに!)と称してやってきたが、外は相変わらず真っ白だった。
 TV音声による予報によると、本州は午後から崩れるらしい。と、いうことは、こちらは午後から回復か? 音だけなので、ご覧ください、とやられても、さっぱり判らないのだ。(わざわざ記すまでもないけど、TV音声を聞くのは天気予報の時だけで、あとは鳥の声と風の音を楽しんでます)
 原稿を書きつつ、時間をつぶしていると、8時ころから視界が開けた。
 備え付けの望遠鏡で観察。
 オロロン鳥だ、と思ったら、デコイだった。
 他に、オオセグロカモメやウミウの子育て様子なとが見られて面白い。
 気がつけば一時間も観察に熱中していた。
 が、9時を過ぎたら、また真っ白け。海すら見えなくなった。
 やがて、音をたてて雨。
 11時前後に少し岩場が見えることもあったが、あとはひたすら霧と雨である。
 雨のせいか、TV音声も入らない。この受信は本当に厳しい。もともと高い周波数の送受信用に作られているので、ラジオ等の受信には無理があるのだ。AMは言うまでもなく、FMも、都内にいてようやく入る程度。UHF−TVはそれより周波数が高いので、ようやくなんとかなっている。それでも、本体を持って歩きまわり、電波をつかむしかない。置いておいてBGMに、なんてことは不可能なのだ。
 昼食後も、雨はあがるどころかひどくなってきている。
 本を読んだり原稿を書いたりするのも飽きる。
 暇なものだから、ハンディアマチュア無線機VX−1を色々いじっていて、FM−NHKが本体を置いておいても入るポイントを発見。雨音だけでなく、音楽も聞けるようになった。
 このVX−1という無線機は、以前島旅に持って行っていたFT−728と同じ八重洲無線(最近社名が変わったようだけど)の製品で、手にすっぽり収まる小型軽量マシンで、出力は小さいものの、ラジオの受信も出来る多機能な製品だ。
 以前は、エマージェンシー用として、無線機を持って行っていたのだが、最近は島でも携帯電話が使えるようになったおかげか、無線機を使用している人は皆無で、エマージェンシーコールも無意味だと悟り、以来、持って行くのをやめていた。しかし、北海道は、その広さゆえ、アマチュア無線がまだまだ生きているので、今回、オークションでVX−1手に入れて、ラジオを兼ねて持ってきたのだ。
 無線機は、次回の旅でも活躍の予定だ。
 念のために記すけど、私はちゃんとアマチュア無線の免許持ってます。コールが失効してしまっていたので再申請中で、今は緊急時以外は発信できませんが。

 現在、14時少し前。
 雨風ごうごう。
 ついに、ソーラーチャージャーがまったく反応しなくなってしまった。先程までは、雲向けで(太陽なんてどこにあるのかさっぱり判らないのだ)チャージしていたのだが。
 このままいくと、明日までここで足留めかも知れない。
 11時以降は、観光客も誰もこない。
 ここには、トイレも水もない。
 役場で汲んだ1Lの水は、朝食時のコンデンスミルクティー、昼のご飯とラーメンに化け、残り300ccほど。今晩の分はなんとかなるだろう。いざとなったら、雨水を受ければいい。
 あとは、PETボトル入りお茶が100ccと、焼酎が150ccくらい。
 午前中の取引先への電話は、すでにぶっちぎっている。(笑)
 こういう時は、携帯電話があればなぁ、と思うのだが、帰ると、そんなことすっかり忘れてしまうんですよね。
 街までたった4kmなので、荷物を残して電話と買い物に行って戻っても、何の問題もないんですけどね。帽子から靴に至るまで、ゴアテックスで武装しているのだし。(しかも、行きは下り坂なのでレーザーですいすい〜)

 15時近くになっても、まだ雨一向に止む気配を見せず、先程はゴロゴロと音を立てる始末。
 立ち小便へ行くのもためらわれる程の雨量だ。

 17時になった。
 少し前に雨が小降りになったので立ち小便をしに行ったらしている傍から雨がまた激しくなった。
 17時までに、もし雨が止めば街まで行くつもりだったのだが(往復で90分かかるという計算からだ)、止まないので停滞を決め、焼酎を飲みはじめたところだ。20度なので、ストレートでもなかなかいける。つまみがないのが残念だ。
 ラジオとして活躍しているVX−1は、先程リチウムイオン充電池がきれ、単3乾電池と交換した。乾電池1本でも動くとは優秀だ。
 17:30まで持たずに、遂に読む本が尽きた。
 今回は3冊持参して(タイトルはあえて明かすまい)、いつもの通り読み終わると破棄していた。(近所の古本屋で10冊数百円で買ったものだ)
 もう一度、この最後の一冊を読み返すか、自分で書くか?
 こういう時、ネットワーク圏内であれば古い名作をダウンロードして読むことが出来るのに、と、ないものねだり。

 結局、19時頃、窓からウトウたちが帰ってくるのを眺めながら、ご飯と缶詰とフリーズドライの卵スープの夕食をとり、20時過ぎに眠ったのでありました。


午前中、霧の晴れたわずかな時間で、望遠鏡にデジカメを押しつけて撮影。オオセグロカモメの子育て


こちらはウミウの子育て。って、判らんか


カモメとオロロン鳥のデコイ。これを本物と勘違いする観光客もいるでしょうね


海鳥観察舎内はこんな感じ


ひたすら時間を潰すのよ


夕暮れ時、ウトウが帰ってくる。でも写っていないよなぁ