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7月4日 焼尻島―天売島

 起床は6時。相変わらず、しとしと雨が降っている。
 ホットケーキを作るのはやめにして、コンデンスミルクティーと、クッキーの朝食で済ませ、雨装備で7時過ぎに出発。
 雨が降っていて、しかもややガスっているとはいえ、鳥のさえずりは心地好い。
 朝の気温は15度で、過ごしやすかった。
 厳島神社を出て、工兵衛街道記念碑を巡り、船付場へ戻っても、まだ7:40だった。
 原稿を書き、時間をつぶす。
 雨はあがったようだ。
 天売島へのフェリーは、9:40発だ。ISDN公衆電話があるといいのだが。
 現在8時。アップロードします。


朝の様子


石碑の向こうの海も豊崎の集落もガスってますね

 フェリーは、予定通り9:40に出港した。760円だった。
 ん? と、いうことは、先日のおばちゃんの「9:45発でしょ」というのが間違っていたのだ。それでいて、船を引きも度したとは! おそるべし、おばちゃんパワー。
 出港はしたものの、海はガスっていて、視界は50mほどしかなく、天売島もまったく見えない。船は警笛を鳴らしつつ、ゆっくりと進む。

 フェリーは、それでも予定の12分遅れの10:12に天売島へ入港した。
 岸壁に寄せるフェリーから見える電話ボックスの電話は、なんと緑! 焼尻島がISDN公衆電話だったので期待していたのだが、そうそううまくいくものではないらしい。
 かなりショック。
 雨はほとんどやんでいたので、荷物を船待合に残して、近くを散策。
 途中、商店で缶ビールと食料を少し買い足す。
 散策は30分程で切りあげ、雨もやんだので、港の木製のベンチとテーブルで、カモメの乱舞を眺めながらビールを飲みつつ原稿を書く。
 で、そのまま昼食を作って食べ、出発は12時ちょい過ぎ。
 天候はくもり。空全体がまっしろ。
 ロンババ海水浴場をベースにすることを狙っていたのだが、残念ながら更衣室もシャワーも発見できなかった。いいかげん、シャワー浴びたいぞ〜。
 次に、海の宇宙館へ。ここは、写真家の寺沢孝毅氏の写真が展示してあり(なんと屋外にも!)、お茶も飲めるようになっている。展示を見るだけなら無料だ。
 寺沢氏とは、先日たまたま銀座の富士フォトサロンでお会いすることが出来、再会を期待したのだが、残念ながらいらっしゃらないようだった。ノートが置いてあったので、来島した旨を書いておいた。
 島を南回りで巡ることにして、出発。
 曇っているのが蒸し暑い。
 天売島国設鳥獣保護区管理棟は、写真等の展示があるらしいのだが、残念ながらお休みだった。
 郵便局の向かいには、大学の研究出張所があり、赤い識票をつけたウミネコを見かけたら知らせてくれ、と貼り紙がしてあった。羽幌の港で見かけていたので知らせようと思ったのだが、突然出てきたダンボール箱を抱えた若い女性は、こんにちは、だけを残して郵便局へ行ってしまった。
 うーむ。
 散策を再開し、食料品店でビールと焼酎のカップ入りとパン等の食材を、役場出張所のトイレで水を1L補給した。
 赤岩を目指すルートは、途中から急な登り坂で、結構こたえた。汗だくで、小休止。
 車はやはり少なく、赤岩到着まで、レンタカーの軽が一台と、奈良ナンバーのシビック(大学の出張研究所前にあったものだ)、ミニパトが追い抜いて行っただけだった。
 赤岩の展望台に着いたのは、14時過ぎだったと思う。
 駐車場には、シビックとレンタカーの軽が止まっていた。シビックに乗っていた2人は見当たらなかったが、軽の4人とは、わいわい騒ぎながら鳥を双眼鏡で眺めた。
 ものすごい数のウミネコが乱舞している。
 海には、ウトウ、ケイマフリの他に、7羽のウミガラス(オロロン鳥)が浮かんでいるのが確認出来た。現在二十数羽しかいない貴重な鳥なので、本当にそうなのか議論していたのだが、タクシー運ちゃんが観光客のおばちゃんたちを引きつれて現れ、間違いないと言ってくれた。(レンタカーの4人は、証明した人として、タクシーの運ちゃんと記念写真を撮っていた)
 やがて、オロロン鳥は岩陰へ入ってしまって見えなくなり、レンタカーの4人は船の時間がやばいと言い残して帰り、観光客もいなくなった。
 ウミネコと遊んでいてもしかたないので、散策再開。
 屏風岩の、海鳥観察台へ行ってみる。赤岩の展望台から登りで650m。
 とても立派な小屋で、大きな窓が沢山あり、備えつけられた高倍率な望遠鏡は無料だ。
 着いたとたんにガスってしまい、鳥の観察はほとんど出来なかった。
 どうしたものかと迷った結果、赤岩の展望台まわりの無数の穴に、夕方になるとウトウが戻ってきて、ウミネコと餌の獲り合い(ウトウが穴で待つ雛のために獲ってきた餌をウミネコが横取りするのだ)の攻防があって面白い、との情報を得ていたので、それを見ることにした。
 荷物の大半を残して、レーザーで坂を下って赤岩の展望台へ。
 待つこと2時間。
 18時頃、NHKのスタッフ2名がハイビジョンカメラを担いでやってきたころから、ようやくウトウが戻ってきた。
 ひどくはないものの、それなりにガスっていて、遠くは見渡せない。
 ウトウの巣穴は、本当に無数にあって、案内看板の100m四方150個はおおげさとしても、それに近い数はあるだろう。人を完全に無視しているので、階段の隙間にもあるくらいだ。
 ウトウの数、およそ50万!
 昼間は沖にいてまったく見られないが、19時頃になると、それはもう、上空鳥だらけ。ウトウとウミネコだらけで、某映画のようだ。
 遠くが霧で見えなくなっているので、視界は300mくらいだろうが、これはもう、見た人にしか判らないと思う。
 ウトウは黒くて鳩くらいの大きさで、とんでもないスピードで飛んでくる。ツバメには負けるけど、鳩の全速力以上。羽が小さい分、羽ばたくスピードが早いので、すごい風きり音で突っ込んでくるのだ。
 暗いし、口に餌を大量にくわえているせいか、人にも物にもぶつかってくる。私も後方から帽子をかすめられて驚いた。(前方からのは体をのけぞらせて避けます)
 やがて、観光客10人以上で、わいわい見学。
 人を無視しているので、間近で攻防を見られて楽しい。
 ウトウは、猛スピードから急減速し、自分の巣の近くに着陸(自分の巣に正確に降りる能力はない?)、ウミネコや他のウトウの攻撃をかわしながら自分の巣へつっ走って行く。
 飛行速度は速いし走るのも速いしどこに降りるかも判らないし暗いしで、撮影は非常に困難。
 まだ、やや明るかったときに、少ないチャンスで気合の一枚、が、これ。


真ん中に写っているの、判りますか?

 もちろんノーファインダーです。(私のデジカメは連射出来ないし)
 だんだん霧雨がひどくなる中、20時すぎまで見学し、暗い中、明かりもなく、650m先の海鳥観察舎までなんとか移動し(道中も、ウトウを避ける必要があり、これが恐い!)、キャンドルランタンに明かりを灯した。(ちなみに、懐中電灯は持っていない)
 ソーセージとパンと焼酎を少々飲んで、21時ころ寝たのでありました。(調理しないのは、水を温存するため)


港の様子


昼メシは船待合の横で


海の宇宙館は、屋外展示も


海鳥観察舎


赤岩(右下)と乱舞するウミネコ。夕方は、これにウトウの大軍が加わるのだ


こんなに近づいても逃げない


赤岩の展望台


ウトウの帰りを待つウミネコたち


ウミネコとウトウ(右下)