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まとめ

遥かなり、鳩間島
 なかなかうまく行かないものである。
 今回の旅の目的は、鳩間島を訪れることにあった。あとは、おまけのようなものである。八重山諸島全島制覇は狙っているので、その意味はあったものの、竹富島などは、個人的にはどちらでもよい島ですらあった。
 島旅を続け、各地を巡って考えたことは、鳩間島の特殊性であった。どう特殊だと感じたかは書かないけど、とにかく、その特殊さに興味を持ち、行かねば、と考えたのだ。
 が、結果は御覧の通り。
 まさか、船が正月には運行されないとは知らなかった。
 ただでさえ、西表島の北側の航路は欠航が多い。あの辺りはリーフが多くて浅いため、風が吹くと簡単に欠航してしまうのだ。暴風波浪警報が出ても運行される南側の航路とは対照的、というか、海の面白さ、恐さを感じる。
 鳩間島へ行くのをこれで諦めた訳ではもちろんなく、機会を伺って訪れてみるつもりではある。

変化は必要だ
 いつまでも島が昔のままであって欲しいというのは旅人のわがままだろう。
 私は、変わりゆく島を見るのが好きなので、どんどん変化していって欲しいと思う。
 与那国島は、急速に変わりつつあるのかも知れない。
 道が増え、漁港内のリーフは濁ってしまって残念だけど、何かが起きている、というのは悪くない。
 ただし、ダイバーばかりになってしまうのはどうかとも思うが。(3年前、以前は普通の漁師家だったであろう建物は、その半分が鉄筋の民宿になっていた。昨年、離れはまだ木造だった。そして今年、木造部分はどこにもなかった)
 今年の夏にはジェットが就航するという。
 滑走路の延長工事はまだ始まっていなかったが、その為に多くの労働者がこの島に駐在し、消費し、経済を動かすことになるのだろう。石垣島であった旅人が、「与那国島へ行けば仕事があると聞いてきたのに、工事がまだだったとは残念だ」と言っていた。

そのイベントは
 与那国島のカウントダウンイベントのことである。
 島へ行く前に、かなり入念な下調べをしたつもりだったのに、そのイベントについては、空港に降り立ってチラシを配られるまで知らなかった。
 協賛企業が多いにもかかわらず、である。
 実際のイベントは、おいおい公費で忘年会すなよ、的なものではあったのだが、それはそれで、島らしくてよかったと思う。姉妹都市である北海道の稚内、名古屋の大須との共同企画イベントだったため、無料で花咲カニや大須のお菓子が振る舞われていたあたりが、旅人に嬉しいイベントでもあった。
 実際の企画は、埼玉に在住の方々を中心にして立てられたらしく、興味をそそる。
 島のあちこちで会う若者は、相変わらず島外出身者でしめられている。民宿のヘルパー、牧場労働者(なんと若い女性だ)、竹富島で水牛車を操りつつ三味線を奏でる若者。
 与那国島のイベント会場でも若者の姿はほとんどなく、いったいどこにいるのだろう。いったん島を出ると、交通費の問題など、簡単には戻ってこられないのだろうか。

民謡のある日常
 今さら書くまでもないけど、沖縄地方は民謡が大切にされている。
 それは観光客向けではなく、その土地のものだ。
 与那国島でのイベントでも民謡がメインだったし、それで踊っていたのは、沖縄本島からの旅行者だったりした。観光客など皆無と言っていい石垣島の闘牛場でも、民謡生バンドが対決に華を添える。いや、華を添えるレベルではなく、勝った闘牛士は生演奏で踊ったりするのだ。
 小浜島では、たまたまNHKローカルが沖縄の新春婦人会発表会のような番組を放映してして、それは沖縄各地の婦人会が地元の郷土芸能を那覇にあるホールで発表する番組だったのだが、視聴率はすごいものがあった。やきそばを食べた食堂でもおばちゃんが熱心に見ていたし、買い物をした食品店でもかかっていた。集落では、家の戸を開け放ったままの家が多く、家の中が見えてしまうのだが、何で? と思うくらい見られていた。その時間、それ以外が映っていたテレビを見なかったくらいだ。
 それは、かなり羨ましい光景だった。
 来年は、与那国島で「どぅんた」を一緒に踊りながら新年を迎えたいものだ。

悩み多き旅人?
 別に偏見があるわけではなくて、いい人もいるんだけど、ダイバーの方々、旅人に向かってくだらない話をするのは止めなさい。
 そこは、人生相談をする場所ではない。
 水中だけでは無く、その土地に耳を傾けていただきたい。答えは、簡単に出るはずだ。

そこはテーマパーク
 竹富島はキャンプ禁止の島である。
 夕方、大型リュックを背負って歩いていると、必ず島民に宿泊地を聞かれると言うし、時には、野宿者を探して見回りがあるとも言われる。
 浜でこっそりキャンプをしていた旅人が島民に見つかり、島から追い出されたことがあるとも。
 島へ移住した大阪出身の若い観光ガイド(元旅人)が言う。
「ここはテーマパークだからキャンプは出来ないんだ。ディズニーランドでキャンプ出来ないのと同じ」
 そう言いつつも、彼は野宿が出来る場所と方法を教えてくれた。(私はあえてその方法を使わず、堂々と野宿していたのだが)
 古い街並を、観光客を乗せた水牛車が行く。
 そこがテーマパークだとすると、住人は見せ物なのか?
 島には、キャンプ禁止の所が多いがたいていは指定地があって、そこではキャンプ可能になっている。小浜島のように、「キャンプ禁止の島ではないけど、浜にはトイレと水があっていいよ」と教えてくれる人がいたり、ヒッチハイクさせてくれた人が「その家が公民館の管理をしている家だから、言えば公民館に泊まらせてくれる」などと教えてくれたりする場合もある。
 黒島で自転車を借りに行った民宿でのやりとりは、かなり不快だった。どこに泊まるのかしつこく聞かれ、キャンプするなら指定地のみで管理費100円をここで払えと。
 そんなに邪魔者なのか? 私としても、土地に頼ることなく、かなりこそこそやっているつもりなのにねぇ。

島がある限り
 旅は続くんだろうなぁ、と思う。
 旅人と島人との、よりよい関係ってなんだろう。
 旅人と旅人との関係も、少し考えてみようかな、とも思う。