TopMenu / DO-YAH Menu
10月6日 口之島3日目
昨夜いったん上がった雨は、またすぐに振り出し、やがて雷を伴った土砂降りになった。うるさくって、ちっとも寝られやしない。
雨は、小降り土砂降りを繰り返し、時折吹く突風でテントが大きく揺すぶられる。
朝になっても雨はやまず、10時半頃、テントの中でスパゲッティとソーセージ(ああ、こればっか。カロリーメイトとか売っていないのだ。無調理で食べられるものといったら、あとはパンか缶詰くらいしかない)とコーヒーの朝食を食べた。
今日のスケジュールは昨日こなしてしまったようなものなので、停滞してもよいのだが、港は集落と峠を挟んだ反対側なので、明日朝5時過ぎに出る船に間に合うように移動しておく必要がある。
11時半頃、雨が小降りになり、空が明るくなって風も止んだ。
チャンス、とばかりにテントを這い出し、撤収。
集落へ、と、思ったら、自転車の後輪がパンクしていた。痛いっ。
とりあえず空気を入れ、様子見のために押して集落へ向かう。
徐々に空気は抜けて行くのだが、そんなに大きな穴ではなさそうだ。
口之島販売所前で直すことにする。お店は営業していない。18時からなのだろう。
チューブを外し、穴を見つけ、接着剤、と思ったら、パンク修理キットの接着剤が、長く放り出してあったせいか、乾燥して使い物にならなくなっていた。
昨日パンを買った近くの食料品店に行って見たのだが、接着剤はなし。口之島販売所にも売っているかどうか判らないと言う。
仕方がないので、チューブごと交換した。
そうこうしているうちに、また雨が降り出し、みるみる土砂降りに。
販売所前で停滞を余儀なくされた。原稿を書き、本を読む。本は2冊目に入った。出発直前古本屋で4冊200円で買ったもので、一冊目はすでに破棄した。
14時半になってようやく雨もあがり、出発。島の北峰、フリイ岳(235m)へ行って見た。途中からは徒歩で、牛と牛の糞だらけの所を40分くらい歩いた。道が土砂崩れに埋まっていた所があり、びくびくしながら無理矢理越える。
時折ぱらぱらと雨粒が落ちてくる嫌な天気。
結局山頂までは行かず、その手前の峰で引き返した。標高200mくらいだと思う。かなり切り立った山なので、港や遠くの島々が一望できた。曇空なのが惜しい。
山を下り、港へ来たら16時だった。
船の待ち合いらしき小屋で水が出ることを確認し、汚れまくっていた合皮貼の長椅子を一脚磨き、荷物を下ろす。
相変わらず小雨だ。釣りをしようと思っていたのに。
仕方ないので、原稿を書く。
この分だと今夜も雨みたいなので、この小屋の中で寝ることになるのだろう。着いた時は「待ち合いでは寝てはいけない」と言われたのだが、さっき会ったお兄ちゃんは「ここで寝ればいい」と言っていた。うーむ。
その後、青年団長を名乗る男がやってきて、いきなり「泊りはいかんぞ泊りは」と怒る。いきなりなんだ、とムカつきつつ、雨宿りはいいですよね? と食い下がってみる。すると、「それはいいが泊りはいかんぞ」と威圧的。
だあれもいないんだし、朝5時の船なんだから、泊ってもいいと思うが。
無用のトラブルは避けたいので、後で防波堤の陰にテントを張るとしよう。
ふと見ると、釣りをしている人がいる。300mくらい先だけど、傘をさして見に行く。その途中、何気なく海を見たら、30cmくらいの魚がバシャバシャ群れているではないか。
急いで釣人の所へ行き、あの群れているやつは釣れませんか?、と聞き、一緒に現場へ戻ったのだが、すでに群はいかなった。無念。おじさんに釣らせて一匹もらおうと思っていたのに。
おじさんはイカ狙いだったが、釣れていなかった。
暇なので、私も竿を出すことにした。ルアー投げる。15分で飽きた。
そろそろ米でも研ぐかな、と、戻る途中、何だかデカイ物が水中にあるのが見えた。ゴミかと思ったら、浮上してきた。そいつは海亀だった。港の一番奥に何故?
野生のは初めて見た。飛び込んで一緒に泳ぎたい気分だったけど、私は泳げないのよ。
しかも、こういう時に限ってカメラを持ってきていない。
防波堤に沿って湾の外へ向かって泳いでいく亀をしばし眺めた後、急いでカメラを取りに戻ったのだが、残念ながら再び見つけることは出来なかった。無念じゃ。
今日も夕焼けない。
雨宿りポイントで米研ぐワタシ。
風が強い。下手な場所にテントを張ると飛ばされそうだ。
で、ハタと気付く。泊りは駄目だけど雨宿りはいい、ということは、雨が降り続けている限り、ここにいてもよいことになる。
夕食後も小雨&強風は変わらずで、キャンドルランタンの明かりで本を読むことにする。
時折雨が止むことはあっても、風が止むことはなく、そのまま一冊読み終え(読み終えた本はそのまま燃えるゴミ行きである)、0時半頃、長椅子で寝てしまった。防虫用の網をかぶって。(蚊取線香はたいてあるし、虫除けも塗っているのだが、昔、フナムシに唇を奪われた経験があって恐いのよ)
テント内でブランチ。火を使うと暑いのよ