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 めずらしく、今年の夏は「少年」になれぬまま終わろうとしている。

 写真の入門書の原稿執筆という、おそろしい仕事のためだけではない。
 子供の入院騒ぎということでもない。自転車を盗まれたからでもない。
 ちょっとした緊張感ぐらいはあるのだが、何だか、切れ目のない「夏休み」が3年前からずっと続いているようで、変な気持ちなのである。
 学校に勤めていた頃にはなかった、怠惰な1日の過ごし方をうまく覚えてしまったのかも知れない。あいかわらず撮影の仕事は少ないのに、「なんとかなるだろ」と高を括る術がすっかり身についたようだ。
 少しは「作品」のために動こうか。「写真家」らしく振る舞ってみようか。もう「少年」を続けなくてもよいのだし、、、、。


大西みつぐ
1952年  東京生まれ
1974年  東京綜合写真専門学校卒
1985年  「河口の町」で第22回太陽賞
1993年  「遠い夏」で第18回木村伊兵衛賞
写真集に「WONDERLAND80-89」。個展多数。
東京綜合写真専門学校講師、東京カメラ倶楽部会員
データー:Apple QuickTake100 &150